Peugeot's Lab.

※ 作業は自分自身のリスクにおいて行ってください。

ライトスイッチの分解清掃

ライトスイッチ…所謂ウインカーレバーの分解清掃をしてみました。

306の持病の1つとして、ウインカーの“カチカチ”があります。
原因は、接点が摩耗して、それがグリスに混入し、常時通電の状態を作ってしまうために起こる現象です。

通常このような症状が出た場合、ライトスイッチの交換で対応しますが、
なにせASSY交換となるため、結構なお値段です。

うちのは最近になって症状が出始めました。
といっても常時なる訳ではなく、左折の際にウインカーを出すと、5回に1度くらいの確率で発生します。

もう少し様子を見て、まぁそのうち…と思っていましたが、先日あの方とお茶していた際に、
「…好きそうな作業ですよ」と後押しされたので、分解してみることにしました。


まずはコラムカバーを外します。

コラムカバーは上下に分割されており、T20のトルクスで3箇所留まってます。
しかし、ハンドル側の2箇所はビスが深いところにあり、
また穴も細いので、ビット交換式のドライバーでは辛いかもしれません。

奥の1箇所は、他と比べ穴は広いのですが、
ここだけは、コラムサポート本体の爪と共締めする構造になっています。

もう少し詳しい内容は、“ETC車載機の取付”を参考にしてください。

T20のトルクスビスを抜いて、上のコラムカバーを外します。

下のカバーは外さなくても、少し下に下げれば作業できます。


ユニット本体は、T10のトルクスで留まっていますので、これを抜きます。
(黄色の丸の部分2ヶ所)

ビスを抜いたら、そのまま横にスライドさせて外します。

これでユニットが外れました。

ユニットの後ろにコネクタが2つ挿さっているので、これを抜きます。

このコネクタは2つ共大きさが違いますし、向きも決まっているので、
おもむろに外しても大丈夫です。


これがユニット単体です。
メーターでお馴染みの、“JAEGER(イェーガー)”製でした。

単純にパーツを組み付けただけでなく、
コードがハンダ付けしてあったりと、生産コストはそれなりに掛ってそうな代物です。


眺めているばかりでは意味がないので、意を決して分解します。

ユニットは、工業製品の常で、爪で組み立てられています。

今回の作業をするには、コネクタと反対側の爪を外しますが、
ここは、左右2ヶ所づつの爪(黄色の丸部分)で組み合わさっており、
また、その上下2ヶ所づつ(赤丸の部分)が嵌め合せになっていますので、
良く構造を考えながらの作業が肝要です。


通常は、精密ドライバーなどを複数本使って、隙間から爪の周りを広げて外します。

しかしこの爪、結構しっかりと留まっています。
というか、ハウジングの剛性が結構高め。

結局、試行錯誤のうちに、あるポイントを支点にして抉ると爪が緩みました。
ただ、結構リスキーな場所です。

爪さえ緩んでしまえばこっちのもの。
あとは部品が散乱しないように、慎重に分解します。


ということで、分解したところ。

大きくは、本体と蓋、それにレバーといった構成ですが、
何分にもスイッチユニット。いたるところにバネと接点が仕込まれていますので、
部品を無くさないよう、細心の注意が必要です。


分解した本体(洗浄前)。
写真の向きは、左がレバー側。
このユニットの左端がレバーの支点です。

写真の右側にあるのが、ウィンカーの接点。
上の方が激しく汚れているのが判るでしょうか。
これが、例の“カチカチ”の犯人です。

左折の際は、レバーを下にしますから、接点としては上の部分になります。

…どおりで左折時だけに症状が出るわけだ。


こっちが接点側。

摩耗した形跡はありましたが、思ったよりはきれいでした。


あとはクリーナーや綿棒なのでユニット内を清掃。
その後、接点復活剤で下処理し、グリースアップして再組み付けです。

でもこのユニットの再組み付けが、意外と手強かったですが。

ユニットになってしまえば、あとは鼻歌交じりで元に戻して完了。
ただし、重要保安部品なので、必ずすべての機能が作動するか確認は重要です。


今回分解清掃するにあたり、使用したグリスはこれ。
御覧の通り、模型用の商品です。

接点グリスは、この世界では定番商品ですし、
セラミックグリスもHGとなって、以前の商品より品質向上している模様。

まぁ耐熱性とか、不安はあるのですが、だめならまた作業すれば良いし…。


ということで、交換すると部品代だけで結構な費用がかかる今回の作業。
自分ですれば今回の投資はこのグリス2本だけ。

尤も、仕事終わりの夜に開いている模型屋まで、高速飛ばした料金が一番高かったりするのですが…(^^;

でも、手間とリスクを考えた時の費用対効果は結構微妙です。
少なくとも、分解の自信がなければ、ASSY交換するのをお勧めしておきます。


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